社会保険労務士の合格ラインの救済システムとは

社会保険労務士の試験には、合格基準がかなりはっきりと決められるっていう性質があります。
世間では、そういう試験制度はわりと珍しくないと思いますけど、社会保険労務士もそのひとつだったんですね。

ま、社会保険労務士の合格基準が毎年少しずつ変わっていることは周知の事実なんですけど……実はその合格基準に、例外がつけられることがけっこうあるんです。これを業界では「救済システム」なんて呼ぶことがありますね。

この救済システムは、択一式問題ではめったにありません。でも選択式問題では毎年のように実施されてきました。だから、けっこうあてにしている受験者がいるんですね(まあ、そんな願望を持ちながら勉強や受験に臨むのは、とてもほめられた心構えじゃないですけどね)。

せっかくですからここで、その救済がどんなふうに行われるのか実例を引用しながら説明しましょう。
たとえば2015年は、社会保険労務士の合格基準が次のように発表されています。

・択一式試験は、総得点45点以上、なおかつ各科目4点以上に達していること

・選択式試験は、総得点21点以上、なおかつ各科目3点以上(ただし、「労働の一般常識」「社会保険に関する一般常識」「健康保険法」及び「厚生年金保険法」は2点以上)に達していること

つまり「労働の一般常識」「社会保険に関する一般常識」「健康保険法」「厚生年金保険法」の4科目は3点→2点に、基準が下げられています。これが救済の具体的な内容なんです。

おそらくですが、試験の採点の途中でその4科目の出来栄えが、いまいちだったんでしょう。受験者の平均得点がちょっと低かったのかもしれません。それか、その4科目の基準を変えることで、合格者の人数が臨んだ範疇に収まるとわかったのかもしれないですね。

実際に1点の違いが合格・不合格を分けることが、この救済システムの実態からもよくわかると思います。救済システムからわかることは、「難問が多かった科目では救いの手が差し伸べられる」だけじゃなくて「1点1点の積み重ねが大事であることを再認識すべきである」ことじゃないでしょうか。